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【合縁奇縁】編集委員・岡部伸 CIS脱退は実現したが…(産経新聞)

 シルクロードの最西端あたり。カスピ海と黒海に挟まれたカフカス地方にグルジア共和国はある。「カスピ海ヨーグルト」の発祥地といえば、わかりやすいかもしれない。

 そのグルジアの大統領だったエドゥアルド・シェワルナゼ氏は、旧ソ連の外相として冷戦を終結させた立役者だが、「壁崩壊後に北方領土返還を検討していた」と前回書いた。

 99年2月。ソ連共産党の政治局員に上り詰めた後、祖国に戻り、カスピ海の石油資源を切り札に指導者の道を歩んでいたシェワルナゼ氏をインタビューした。94年に隣国アゼルバイジャンが国際石油資本と共同開発を始めるや、中央アジアから欧州への回廊となるグルジアは世界から熱い視線を集め、日本も訪問することになり、単独会見となった。

 マルコ・ポーロが「絵に描いたように美しい」とたたえた首都トビリシは民族紛争で荒廃していた。機関銃を構える兵士が警護する大統領府でシェワルナゼ氏は率直に語った。

 「ロシアが紛争解決に効果を上げないなら、旧ソ連諸国で構成する独立国家共同体(CIS)から離脱して、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指す」

 同24日付夕刊で「CIS離脱を検討 NATO加盟も視野 シェワルナゼ・グルジア大統領会見」と報じると、ハチの巣をつついたような騒ぎになった。シェワルナゼ氏がCIS脱退を表明したのは初めてだったからだ。ロシア政府から「信じられない」と取材の録音テープ提出を求められ、東京本社にも「誤報ではないか」と抗議があった。ロシア外務省高官は「テープを出さなければ、査証(ビザ)更新は困難になる」と迫った。不都合な記事は抹殺しようとするクレムリンの圧力は、言論や報道の自由からほど遠かった。

 今にして思えば、シェワルナゼ氏が筆者に親欧米路線への転換を吐露したのは、クレムリンの権力構造とその根底にあるロシア第一主義を熟知するがゆえに、「ロシアによる資源の支配を望まない米国に接近することが祖国再興の近道」と考えたからだろう。現実主義的なバランス感覚だったと思う。

 残念ながらシェワルナゼ氏は、汚職対策が遅れ、04年に「バラ革命」で失脚したが、後任のミハイル・サーカシビリ大統領が親欧米路線を堅持。08年のグルジア紛争を契機に09年8月、CISを脱退した。インタビューから10年を経て「発言」が実現した形だが、民主化の道は険しく、強まるロシアの強権姿勢が気がかりだ。

 ウクライナでも18日の大統領選で新欧米の現職、ユーシェンコ大統領が敗北。「オレンジ革命」(06年)は挫折して親露政権復活が濃厚だ。

 反体制派の記者を暗殺し、意に沿わぬ国にはエネルギー供給を停止する。ソ連が崩壊したのに、民主化どころか、強権体質はソ連時代に逆戻りし、むしろ強まっている。メドべージェフ政権が「共産主義イデオロギーなきソ連」では、いかに鳩山首相が思い入れを抱こうとも、北方領土問題の進展は容易ではない。安易な譲歩は慎んでもらいたい。

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by rmsa8bsm6b | 2010-02-06 23:43
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